製造業ホームページの問い合わせ率は、CTA(Call to Action)のボタンコピーを「お問い合わせ」から「図面を送って見積もりを依頼する」に変えるだけで大幅に改善するケースがほとんどです。訪問者は何をすればいいか分からないまま離脱しているのではなく、「次のアクションが自分向けに設計されていない」から行動しないのです。

1. 製造業サイトのCTAが機能しない根本原因

多くの製造業サイトのCTAには共通した問題があります。BtoCの「今すぐ購入」「無料登録する」が機能する理由と、BtoB製造業のCTAに求められる設計の違いを理解することが改善の出発点です。

「お問い合わせ」ボタンは最も弱いCTAである

「お問い合わせ」というコピーは、何を問い合わせるのか・どんな相手に向けたボタンなのか・クリック後に何が起きるのかが一切わかりません。調達担当者にとって「お問い合わせ」は敷居が高い行動であり、「見積もり依頼→社内承認が必要→まだその段階ではない」と判断して離脱する原因になります。

一つのCTAをすべてのページに置く問題

トップページ・製品ページ・実績ページ・会社概要ページに同じ「お問い合わせ」ボタンを置くのは、ページを訪問する人の目的を無視した設計です。製品ページを見ている人は「この製品に関する見積もりを相談したい」のであり、会社概要を見ている人は「この会社がどんな会社か確認したい」段階にいます。

フォームの難しさが行動を妨げる

会社名・担当者名・部署・電話番号・メール・住所・問い合わせ内容……と多くの項目を要求するフォームは、調達担当者にとって「まず概要を聞きたいだけなのに、こんなに書かなければいけないのか」という離脱の原因になります。初回接触のフォームは最小限の項目にすることが原則です。

38%
BtoBサイトでCTAコピーを
具体化するだけで
CVRが改善した割合(CVR改善調査・2023年)
49%
フォーム項目数を
半減させた場合の
平均コンバージョン改善率(WACUL調査より)

2. 製造業に効くCTAコピーの設計原則

CTAのボタンコピーはたった数文字ですが、コンバージョン率に最も大きな影響を与える要素の一つです。製造業BtoBに特化した設計原則を解説します。

原則①:具体的な行動を示す

「お問い合わせ」→「図面を送って見積もりを依頼する」のように、「誰が・何をすれば・何が得られるか」を明確にします。

原則②:心理的ハードルを下げる

「相談」「確認」「打ち合わせ」という軽いアクションを示すコピーは、コミットメントが低くクリックへの抵抗が減ります。「見積もりを依頼する」より「まず相談する(無料)」のほうが初回接触のハードルが低くなります。

原則③:ページの文脈に合わせる

製品ページに置くCTAは「この製品について問い合わせる」、実績ページに置くCTAは「同様の加工を依頼する」、よくある質問ページに置くCTAは「他に質問があれば相談する」のように、そのページを読んでいる人の状況に合った言葉を選びます。

原則④:次のステップを予告する

「フォーム送信後24時間以内に担当者からご連絡します」「図面を送っていただければ翌営業日に概算見積もりをお送りします」のように、クリック後に何が起きるかを事前に伝えることで、不安が解消されクリック率が上がります。

製造業サイトのCTA改善・問い合わせ率向上でお困りの方。現状の問題点を診断し、具体的な改善策をご提案します。

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3. CTAの配置設計:問い合わせを増やす最適な配置場所

優れたCTAコピーがあっても、訪問者の目に触れない場所に置かれていれば効果はありません。製造業サイトのCTA配置の最適解を紹介します。

ファーストビューへのCTA設置

トップページのファーストビュー(スクロールせずに見えるエリア)にCTAを設置します。「まずは相談する」ボタンをヘッダー近くに置くことで、既に問い合わせ意欲の高い訪問者を取りこぼさずに転換できます。

記事・ページの中盤と末尾の2箇所

製品説明・実績紹介などの長めのコンテンツページでは、中盤(コンテンツの1/2程度)と末尾の2箇所にCTAを設置します。中盤で「十分に理解できた」と感じた訪問者を取りこぼさない設計です。

スクロール追従型のフッターバー

スマートフォンでの閲覧時、画面下部に固定表示される「相談する」ボタンは、モバイルからの問い合わせ率を大幅に改善します。特に製造業サイトはモバイルからの閲覧比率が上がっており、この施策の効果は年々高まっています。

各ページ末尾の文脈CTAとグローバルCTA

各製品ページ末尾には「この製品について問い合わせる」という文脈CTAを設置し、ナビゲーションバーには「お問い合わせ」というグローバルCTAを常時表示します。2種類のCTAを使い分けることで、ページを見ている段階の異なる訪問者の両方をカバーできます。

実践ポイント:「CTAを増やしすぎると押しつけがましい」と感じる方も多いですが、BtoBサイトで問い合わせ意欲のある訪問者の多くは、「どこで問い合わせればいいかわからない」状態で離脱しています。適切な場所に適切なCTAを置くことは、訪問者への親切心です。

4. 問い合わせフォームの最適化:離脱を防ぐフォーム設計

CTAをクリックしてフォームページに到達した後、フォームへの記入途中で離脱するケースが非常に多いです。フォームの離脱を防ぐ最適化手法を解説します。

初回問い合わせフォームの項目を絞る

初回接触フォームの項目は最大でも5〜6項目が上限です。推奨項目は「会社名・お名前・メールアドレス・電話番号・問い合わせ内容(自由記述)」の5項目のみ。住所・部署・役職などは後で収集できます。まずは「連絡先を教えてもらうこと」を最優先にします。

複数CTAで段階別のフォームを用意する

「まずは資料を見たい(資料請求)」「概算費用を知りたい(見積もり依頼)」「具体的に相談したい(商談依頼)」という3段階のアクションに対応したフォームを用意することで、各段階の訪問者を取りこぼさずに転換できます。

エラーメッセージをリアルタイムで表示する

「メールアドレスの形式が違います」というエラーを送信後にまとめて表示するフォームは、入力し直しの手間が大きく離脱の原因になります。入力中にリアルタイムでエラーを表示する設計(インラインバリデーション)で離脱率を低減します。

フォーム送信後の「お礼ページ」を最適化する

フォーム送信後のサンキューページに「担当者からN営業日以内に連絡します」という具体的な次のステップを明示します。あわせて「よく見られているページ」や「関連するサービス情報」へのリンクを置くことで、再訪問の動線を作れます。

5. 製造業BtoBに特化したCTA A/Bテストの考え方

CTAの改善はデータに基づいて行うことが重要です。検索流量が少ない製造業サイトでも実施できるシンプルなA/Bテストの方法を紹介します。

最小構成のA/Bテスト

Googleオプティマイズ(無料)またはJavascriptのランダム表示で、CTAボタンのコピーを「お問い合わせ」vs「図面を送って見積もりを依頼する」の2パターンで交互に表示します。月間100クリック以上あれば統計的に有意な差を検出できます。

テストする優先度

  1. CTAボタンのコピー(最も影響が大きい)
  2. CTAの配置場所(ページ中盤 vs 末尾のみ)
  3. フォームの項目数(5項目 vs 8項目)
  4. CTAボタンの色(コントラストが高い色 vs 現在の色)

検索流量が少ない場合の対処法

月間訪問者が数百人程度の製造業サイトでは、A/Bテストに十分なサンプルを集めるのに数ヶ月かかることがあります。この場合は「既存顧客へのインタビュー(なぜ問い合わせしたか)」と「競合サイトのCTA分析」を参考に仮説ベースで改善することが現実的です。

6. スマートフォン対応のCTA設計

製造業サイトのモバイル訪問比率は年々増加しています。PCで作ったCTAがスマートフォンで機能しないケースが多く見られます。

タップしやすいボタンサイズ

スマートフォンでのボタンは最低でも高さ44px・幅は画面幅の70%以上を確保します。小さすぎるボタンは誤タップを誘発し、ユーザー体験を損ないます。特にナビゲーションの「お問い合わせ」ボタンは、テキストリンクではなくボタン形式にすることを推奨します。

電話ボタンをCTAに追加する

BtoB製造業の調達担当者の中には、フォームより電話での問い合わせを好む層が一定数います。スマートフォンからの訪問に対しては「電話で相談する(tel:リンク)」ボタンをCTAとして表示することで、電話経由の問い合わせを取り込めます。

7. まとめ:今日から始めるCTA改善の3アクション

製造業ホームページの問い合わせ率改善において、CTAの最適化はコストゼロで最大の効果を出せる施策です。今日から実施できる3アクションを提案します。

  1. 全ページのCTAコピーを「お問い合わせ」から具体的な動詞に変える。まず製品ページから始め、順次全ページを更新します。
  2. 問い合わせフォームの項目数を数えて8項目超なら削減する。必須項目を見直し、最低限の「会社名・名前・メール・問い合わせ内容」に絞ります。
  3. スマートフォンで自社サイトを開き、CTAボタンが1回のタップで押せるか確認する。押しにくければサイズと配置を改善します。

CTAは訪問者への「招待状」です。誰でも書けるような定型文ではなく、「この会社に連絡したい」と思わせる言葉を選ぶこと——これが製造業ホームページの問い合わせ率を高める最も確実な方法です。

問い合わせ率改善・CVR向上のご相談はお気軽にどうぞ。製造業・BtoB企業のCTA設計から実装まで一貫してサポートします。

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