BtoBサイトのGA4分析で最初にやるべきことは、「問い合わせフォーム送信」をコンバージョンイベントとして計測できる状態にすることです。アクセス数や直帰率ではなく、問い合わせに至るユーザーの行動経路を把握することがBtoBサイト改善の起点になります。本記事では、製造業・建設業などのBtoB企業がGA4で取り組むべきKPI設定と改善サイクルを解説します。
なぜBtoBサイトでGA4分析が必要なのか
BtoCサイトと異なり、BtoBサイトのアクセス数は多くなくて当然です。月間数百〜数千PVであっても、その中から年間数件の問い合わせが得られれば十分な成果を上げているケースも多くあります。重要なのはアクセス数ではなく、「来てくれた人が問い合わせるかどうか」の転換率(コンバージョン率)です。
GA4を活用することで、次のような問いに答えることができます。
- どの流入経路(検索・SNS・他サイトリンク)から来たユーザーが問い合わせるか
- 問い合わせに至るユーザーはどのページを何ページ閲覧しているか
- どのページで離脱が多いか(改善優先度が高いページはどこか)
- スマートフォンとPCでコンバージョン率に差があるか
こうしたデータを根拠に改善施策を打つことで、リニューアルや追加投資の費用対効果が向上します。
GA4の初期設定:BtoBサイトで必ず行う3つの設定
1. コンバージョンイベントの設定
GA4では、フォーム送信完了ページへのアクセス(例:`/contact/thanks`)をコンバージョンイベントとして設定します。
設定方法は2通りあります。
- 完了ページのページビューをコンバージョンとして設定:フォーム送信後に専用の完了ページ(`/thanks`等)に遷移する場合、そのページのページビューイベントをGA4のコンバージョンに指定する
- Googleタグマネージャーでフォーム送信イベントを計測:完了ページに遷移しない(同一ページ内でメッセージが表示される)場合はGTMでフォーム送信イベントを定義してGA4に送信する
GA4のコンバージョン設定が完了するまでは、改善施策の効果を数値で評価することができません。新しいサイトを立ち上げた直後・サイトをリニューアルした後は、まずこの設定から着手してください。
2. 内部トラフィックの除外
自社からのアクセスがデータに混入すると、実際の見込み客の行動が正確に把握できません。GA4の管理画面から会社のIPアドレスを「内部トラフィック」として設定し、レポートから除外する設定を行いましょう。
3. Googleサーチコンソールとの連携
GA4とGoogleサーチコンソールを連携させると、GA4の「集客」レポートにオーガニック検索のクエリデータが表示されます。「どんなキーワードで検索したユーザーが問い合わせるか」という重要な情報を把握できるため、早期に設定することを推奨します。
BtoBサイトで設定すべきKPIの考え方
KPIは「問い合わせ件数」を最終指標(ゴール指標)として設定し、その上流にある中間指標を設けることで改善の方向性が見えやすくなります。
| 指標の種類 | 具体例 | 確認頻度 |
|---|---|---|
| ゴール指標 | 月次問い合わせ件数(コンバージョン数) | 月次 |
| 中間指標(品質) | 問い合わせページへの到達率、コンバージョン率(CV率) | 月次〜四半期 |
| 先行指標(量) | 月次セッション数、特定ページ到達数 | 月次 |
| 改善指標 | 主要離脱ページのスクロール率・滞在時間 | 改善施策後 |
BtoBサイトのCV率は月次セッション数に対して一般に低い傾向がありますが、業種や取り扱い製品の特性によって大きく異なります。まず自社サイトのベースラインを3〜6ヶ月分蓄積してから、業界比較や改善効果の評価を行うのが現実的です。
GA4設定・Webサイト改善についてご相談いただけます。
無料相談はこちらGA4レポートで確認すべき主要ポイント
集客チャネルレポート:どこから来た人が問い合わせるか
「集客 > トラフィック獲得」レポートを開き、チャネルグループごとにコンバージョン数とCV率を確認します。多くのBtoBサイトでは「オーガニック検索(Google)」からの流入がコンバージョンに最も貢献しているケースが見られます。一方、SNSからの流入はPV数が多くてもCV率が低いことも珍しくありません。
ランディングページレポート:どのページが入口になっているか
「エンゲージメント > ランディングページ」レポートで、訪問者が最初に閲覧するページを把握します。トップページ以外のページ(製品紹介・施工事例等)が入口になっているケースも多く、そのページのコンテンツ品質がコンバージョン率に直結します。
ファネル探索:問い合わせまでのユーザー行動を可視化
GA4の「探索」機能にある「ファネル探索」を使うと、「トップページ閲覧 → 製品ページ閲覧 → 問い合わせページ閲覧 → フォーム送信」という一連の行動でどこで離脱が多いかを可視化できます。離脱率が高いステップが改善優先ページです。
改善サイクルの回し方:仮説・計測・改善のループ
GA4データを活用した改善は、以下のサイクルを繰り返すことで効果が積み上がります。
- 現状把握:月次レポートでKPI・CV率・主要流入チャネルを確認する
- 課題の仮説設定:「製品ページの滞在時間が短い→コンテンツが不十分」「スマートフォンでのCV率がPCより低い→フォームのUXに問題」など仮説を立てる
- 施策の実施:1つの仮説に対して1つの施策(コンテンツ追加・フォームのボタン変更など)を実施する
- 効果測定:施策実施前後のCV率・滞在時間等を比較して効果を判定する
- 次の仮説に進む:効果があれば横展開し、なければ別の仮説を立てる
複数の施策を同時に実施すると、どの施策が効果をもたらしたか判断できなくなります。改善は1施策ずつ実施し、効果を確認してから次に進むことを基本とします。
BtoBサイト改善の優先順位:まず着手すべきこと
GA4分析を始めたばかりの段階では、以下の優先順位で取り組むことをお勧めします。
- コンバージョン計測の確立:まず問い合わせが正確に計測されていることを確認する
- 主要流入キーワードの把握:サーチコンソールで「どんな検索で来ているか」を知る
- 問い合わせページへの動線確認:ナビゲーション・CTAボタンが分かりやすいか確認する
- スマートフォン表示の確認:モバイルでの表示・フォーム操作に問題がないか確認する
まとめ:GA4を「見るだけ」から「使うツール」にする
GA4は設定して終わりではなく、定期的にデータを確認し仮説を立て、施策に反映することで初めて価値を発揮します。まずはコンバージョン計測を正確に設定し、月次で問い合わせ件数とCV率を把握する習慣から始めましょう。
データが蓄積されてきたら、流入チャネル別のCV率分析やファネル分析を活用して、改善施策の優先順位を数値で判断できる体制を整えることが長期的なサイト運用の競争優位につながります。